Labyrinthos

昨日、面白い楽器の演奏会&レクチュアに行ってきました。
Violoncello da spalla、ストラップで首から提げて肩のあたりでヴァイオリンのように構えて弾く低音楽器。「spalla」とはイタリア語で「肩」のこと…

と、書きかけて、いいことを思いついた。さかもち君のブログにきっと詳しいことが書いてあるに違いない!……書いてある書いてある。

ってんで、こちらを読んで下さい(トラックバックしとこっと)。で、また帰って来てくださいねw。

要するに大きいのや小さいの、いろいろなチェロを縦に持ったり横に持ったりしていた、ということですね。国や地域によって、音色や使われ方のヴァラエティが様々だったに違いない、とか考えるとまた面白い。

バッハのカンタータの中に、Violoncello piccoloがオブリガードに指定されている曲が何曲かありますが、それに例えば小型のspallaを当てはめて考えると、その独特の音色(弦長が短くて8フィート…ということは弦のテンションがわりあい強い…)によって、特別な効果をあげたのではないかと思います。マタイやヨハネの受難曲の中でいくつかの特別な意味のあるアリアにViola da gambaが指定されていて、その意味を強めていますが、同じようなことが言えるのかもしれません(何番のカンタータのどの曲?とか聞かないでね)。

昨日演奏されたのはバッハの無伴奏チェロ組曲1番と2番。ただ単に見たことのない楽器で演奏されたから、というのではなく、とても丁寧な・気持ちが入った演奏でした。
チェロ組曲全てがspallaで演奏された可能性もある、という話(6番だけは5弦)。
6番はViola ponposaを想定して書かれたという話は随分昔からモダンのチェリスト達も言っていることでしたが、それは単にspallaの別名に過ぎず、なおかつバッハは「5弦で」と記しているのみだという話もありました。

なんだか「聞き書き」「受け売り」的な書き方を重ねているように見えますが、私自身にとってはそれも無理のないことと許していただけますか?何しろ私「vertical」楽器専門のヒトなもので(昨日のレクチュアの中に実際何度も「vertical 」「horizontal」という言葉が出て来ました)。

 ともあれ、隠れていた過去の低音楽器のイメージが具現化され、その音楽の可能性が「今」あらわになっていく、という興味深い体験でございました。

("spalla","gamba"でgoogle検索してみたら面白いところが見つかったもので、トラックバックを追加しました…2005.12.17)

comments (4)trackbacks (1)

Comments

ykym|2006/05/19 10:36 PM
相変わらずごぶさたしております。
明日、西宮にラ・プティト・バンドを聴きに行って、スパラを初めて見聞きしてきます。

明日のコンサートは先週14日と同じプログラムの追加公演ですが、cdnvdgkさま、行かれましたか?

スパラのことは、貴ブログのほか、寺神戸さんのHPでもクイケンさんからレッスンしてもらっている様子がアップされてますが、実際に弾いてみるとどんな感じですか?大きさはビオラとチェロの中間ぐらいですか?かなり重いですか?音域は?

はたまた、明日のプログラム(BWVでいえば1043,1050,1060a,1049と6声リチェルカーレ)の中では、スパラはどこに登場するのでしょう?

楽しみです。もし何かご存知であれば、ぜひご教示ください。またご報告します。
cbnvdgk|2006/05/20 11:05 AM
ども、お久しぶり。
残念ながら今回のLPBの演奏会は全く聴くことができません(でした)。作者のバディアロフさんと(この記事のときに)お話ししたのですが、「どの曲のどの場所を弾くのか、まだ知らないんだ」といって笑っておられました。その後BCJやらでも弾いておられるし、たくさんの人が目に耳にしたのではないかと思っています。
たくさんのご質問の中で私に答えられるのは大きさと音域だけです(ヴァーティカル楽器しか弾かない私としては、そのものに触らない方がいいと思ったので)。大きさは、その通り。音域は、この記事の時は4弦でチェロと全く同じ。5弦の楽器としても弾けるような装備がされていました。
ご本人のサイトがやっぱり一番詳しいかも。
ここです→http://violadabraccio.com/indexx.html
ykym|2006/06/03 11:09 PM
ご報告が遅くなってしまってすみません。5月20日、LBP聴いてきました。

当日のプログラムは、演奏順にBWV1043,1050,6声リチェルカーレ,1060,1049でした。これらすべてについて、低音弦楽器として通常のチェロがまったく用いられないという点が最大の特徴でした。その代わりに、曲としての規模が比較的小さい1043と1060の2曲では、Spalla1本のみが用いられ、バディアロフさんが担当されました。

曲として規模大きい1050と1049では、Spallaに加えてVerticalな低温弦楽器が加わりましたが、それとても、通常のヴィオール属のバスではなく、Violin属の形をしてはいるけど通常のチェロよりずっと大きな楽器であり、プログラムにはbasse de vilolinと表記されていました(演奏者のお名前はKoji Takahashiさん。cbnvdgkさんならご存知?)Spallaの方は、1049ではバディアロフさんでしたが、1050ではなんと、シギスヴァルト先生自らのご担当でした!!ただ、楽器はお二人で別のを使っておられて、音の鳴り方そのものはバディアロフさんのものの方がずっとよかったです。

6声は、Vn,Vn,Va,Spalla,Spalla,basse de violinという6本の楽器での演奏でした。この曲は演奏グループによって使用楽器が様々ですが、トラヴェルソやチェンバロが使われないのが逆に魅力的な響きでした。弦楽器だけという点では、その昔のミュンヒンガー&シュトゥットガルト室内o.や最近では18世紀o.と同じですが、これら2つは弦楽合奏なのに対して、LPBのは各声部1本ずつですから響きも精密で、凄くよかったです。

Spallaという楽器を初めて聴けてよかったですし、なるほどなーとは思いましたが、従来のチェロ+バスを含む編成の響きに耳が慣れきっているだけに、音量バランスの面で耳が面食らった(?)のも事実です。とはいえ、historical evidencedな面では、Spallaを使った編成の音量バランスの方が正しいのかもしれませんね。cbnvdgkさんもverticalだけでなくhorizontalも弾いて下さいよ。
cbnvdgk|2006/06/04 10:33 AM
ども、レポートありがとう。
BWV番号覚えてないのでちょとつらいけど(泣)。

今回の一連の演奏会のことで検索してみたら、いくつか感想書いているヒトとかヒットするね(玉石混淆ですが…)。

高橋くん、おそらく随分昔に会ったことはあると思うのですが…定かでないですすみません。どちらにしても向こうは知らないor覚えてないでしょうが(泣)。

どんな楽器で演奏されていたか調べたり想像したりするのはとても楽しくて好きです。正しいか正しくないかは、人任せにしてしまう私ですが。

シギスヴァルト聴きたかったなあ…。おトシになってきてる筈だし、次回は機を逃さないようにしようと思っています。

horizontal楽器も一度弾いてみようか……って弾けるわけないじゃないか!

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Suitte 6.me a cinq acordes|さかもち、きいてます?|2005/12/17 01:56 AM
 14日の私の記事とビミョーな補完関係にある内藤さんの記事に逆トラバ。 いわゆるバッハの無伴奏チェロ組曲第6番(BWV1012)ですが、自筆譜は残っていません。私の手元にはアンナ・マグダレーナ・バッハ(ヨーハン・...
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